白と赤と光、そして食人鬼ハンニバル・レクター。たったこれだけで狂気を表現し得た本作品を大きく評価したい。が、レクター博士以外は些か評価され過ぎな気がしてしまうのも確か。秀作ではあるが、決して 傑作と呼べる内容では無い。

本作品は天才精神科医であり 同時に異常者で人食鬼である悪のカリスマ、 ハンニバル・レクター博士に 何処まで魅了されるかがキモであり、 それに引き込まれなかった場合は 中の上程度の作品にしか見えない事だろう。

実際、内容もそこまでもの凄いモノでもない。 もし本作に傑作と呼べる部分があるとすれば、 それは名優アンソニー・ホプキンス演じる ハンニバル・レクター博士というキャラクターくらい。

映画史に残るキャラクタは作れても、それに呼応出来た シナリオは作れなかったというのが、本作の印象だ。 モチロン秀作ではある。だが、レクターがあまりにも凄すぎたのだ。