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[コメント] 桜の森の満開の下(1975/日)

例の有名な描写は、編集であっさりと仕上げてありました。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







桜、が含む意味について考えていくと、当然ながら坂口安吾の「桜の森の満開の下」に行き当たります。 桜が、新しい生活、生命の誕生などの象徴であると共に、魔術的な意味や死の予感をも内包することを、我々日本人は「桜の森の満開の下」を通して一般化しました。

だから、かのシーンをどうするかは、本当に難しいことです。本作は拍子抜けするほどあっさりとしていました。桜の森に死体が喰われるさまを、体がパッと消える編集で示しています。あっさりしていて、たいへん潔く感じました。また、桜が死体を欲している気味の悪さを、首が夜ごと増えていくことで、間接的に示しているんだな、女は桜の呪いに掛かったのだな、という感じが全体を通してじわじわ伝わってきたので、うまい感じがしました。

しかしながら、岩下志麻がヘタ。

(評価:★3)

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