[コメント] ムッソリーニとお茶を(1999/伊)
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ヨーロッパ最古の孤児院の中庭。 中世から切り取られたような、空間。
石造りの建物から見える、青い空。 街の中心にそびえるドウォーモ。 夕闇に溶ける、ポンテ・ベッキオのシルエット。
まず、風景が美しいことはいうまでもない。 ジモティが撮りました!って感じの、ちょっとした裏路地も雰囲気を添えている。 舞台はいうまでもないわけ。
で、女優、子役、青年役、どれもいい味出してる、と。 少年とイギリス人の老女との紙人形劇のエピソード。 おお! ゼフィレッリ監督の出世作といえば「ロミオとジュリエット」ですがな。 ロミオとジュリエットのバルコニーのシーンは、 そこでジュリエットにキスするのも含めて、この監督が考えたものだというし。 ちゃっかり自作へのオマージュ。
今では婆さんだけど、メアリー役のジョーン・プロウライトといえば、ローレンス・オリビエの妻ですよ。 しかも元・ジュリエットだよ。(確か舞台で) ほかのばーさんも、かつてジュリエット役で鳴らしたマギー・スミスだし。
「枯れたジュリエットたち」が花の賑わいなわけです。 で、ウフィッツィ美術館でお茶。 プリマヴェーラ。
それって、いいなあ。 信じられないくらいうらやましい。
戦況が悪化しても、イタリア内部に住み着いた英国魂は、健在。 アメリカ人役のシェールも、よかったし。 ジュディ・デンチは、貫禄すごいし。 マギー・スミスはいいかんじにプライド高くてかわいいし。 子役もかわいい、青年役も初々しい。 まさに奇跡のようなキャスティング。
ストーリーがうまく行き過ぎるけど、無問題。 そんな、監督の自伝的映画。 これは、つべこべ言わず、愉しむが吉。 芸術万歳。
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