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[コメント] インテリア(1978/米)

ウッディ・アレンはとにかく何でもできるということです。こういう静かな感動を初めて体験させて頂きました。イングマル・ベルイマンの映画と言えます。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実は、うちの家内も3人姉妹の一番下なんですが、もちろんこの映画に出てくる美人姉妹とは全く別物です。(見かけも・・・)

しかしながら、何となく育ってきた境遇が広い意味で共通しているような気もします。

と申しますのは、長女には長女の役回り、次女、三女にもそれぞれを演じる役回りのようなものがあるということと、どこの家でもそうですが、長女から三女に至るまでの家庭環境の微妙な変化が認められるということですね。

三人の姉妹のお互いの緊張した関係と、親(夫婦)の長年の緊張した関係が、それぞれに影響しあっている、という現象は少なからずどの家庭にもあることなんだろうと思われます。

家族や夫婦の崩壊は、きっとアメリカからやってきたのものと思われますし、そのアメリカでこのような映画が生み出されるのは、やはり多くの人種が集う国であるということもありますし、ユダヤ人であるウッディ・アレンの本質でもあるような気がするんですね。

この家で育った夫婦と姉妹の決別が描かれるわけですが、もともと国や土地を持たない民族の人種的な構造がこれらの現象に影響しているということが考えられます。

アニー・ホール』でもウッディ・アレン自身が嫉妬しまくる男を演じていますが、近しい関係(身内・家族)の中で起こる妬みとかが、彼の作る作品の中で実に軽妙にそして丁寧に描かれていますね。

家族はもともと他人に集まりである、ということをベルイマンタッチで描いた素晴らしい映画。

出演している俳優たちも、みなさん素晴らしい演技をしていますね。

感動しました。

2009/8/26

(評価:★5)

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