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[コメント] 地上〈ここ〉より何処かで(1999/米)

監督が描きたかったテーマは、やはり自立なのかな。 いつまでも自分の思い通りになると思っている母親から娘が飛び立つまでの 過程、2人の女の心の動き、男性監督には作れない映画だ。
琥珀

内容はすっかり忘れていても、全体の雰囲気だけで 「あれはいい映画だったな」と覚えている映画がいくつかある。 随分昔に観た「ジョイラック・クラブ」という映画もその1つ。その中国系の監督 の名前(ウェイン・ワン)が表記にあるのを見つけ、借りてみた。

スーザン・サランドンとナタリー・ポートマンの母娘もの。 自由奔放、上昇志向の強い母親と 堅実に自分の道を歩こうとする対極的な性格の娘。当然合わない。 閉鎖的な田舎町ベイシティから飛び出し、カリフォルニアにやってくるものの 娘を女優にさせたい母親、奨学金制度を利用して大学へ行きたい娘、 意見はことごとく食い違い喧嘩ばかりしている。

監督が描きたかったテーマは、やはり自立なのかな。 いつまでも自分の思い通りになると思っている母親から娘が飛び立つまでの 過程、2人の女の心の動き、男性監督には作れない映画だ。

「テルマ&ルイーズ」の役柄を彷彿とさせるスーザン・サランドンはいつもなが らの怪演だけれど、もっと素晴らしいのはナタリー・ポートマン。「レオン」以来 久々に見た彼女だけど、なんとまぁ美しい女性に成長している。演技も気負っ たところがなく自然体で、サランドンに押されることなく対等に演じている。

  「たとえどんなに我慢できず憎く思えても、人生を台無しにされても    母には何かがある。不思議なロマンスやパワーが。    母が死んだら世の中が退屈で、単純で、まともすぎて、理性的すぎる」

別れのエアポート、サングラスをかけ直した母親の心情をいつまでも察してい る。

(評価:★3)

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