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[コメント] 地上〈ここ〉より何処かで(1999/米)

どっちを主役にしたいのかわからない。これもハリウッド事情なのだろうか。
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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小さな田舎町での単調な生活に満足できなくなったアデルは、14才の娘アンを連れ、再婚した夫テッドや老いた母たちを残して金色のベンツでL.A.を目指す。

ビバリーヒルズの安アパートを見つけて教職に就いた派手好きなアデルは、アンに女優となるよう勧める。けれどもアンはどちらかと言うと堅実なタイプで、それよりも、故郷に残してきた従兄のベニーやL.A.に住んでいるらしい自分の本当の父親探しの方にご執心。

L.A.へ向かう折りのビーチボーイズから始まったハイウェイでの小競り合い、クリスマスの夜のバスキンロビンズ前での派手な言い争い(ここでふたりの仲裁に入る警官は後のキーパーソンともなる)等々、とにかくふたりの衝突シーンのオンパレード。だからこそ、女優オーディションにおけるアンのアデルを模した即興演技後、偶然にそれを目撃してしまったアデルの静かな行動が切実さを増すのには成功している。

けれども、ふたりの人物描写があまりにもステレオタイプなところと最後に最愛のベンツを売ってアンの大学資金とする落ちの安易さ、また、ひどい父親がなぜ南アジア人という設定なのかという点が気にかかりあまり感情移入できない。

ベニーの葬式のために故郷に帰ったアンがいつのまにかすっかりあか抜けていて町の景観になじまなくなっていた、というところが個人的にはなかなか面白かったので、いっそのことスーザン・サランドンをもっと徹底的に脇に回して「少女の成長記録」のみに焦点を定めてくれた方が、よっぽど母子の愛情物語としても楽しめたような気もする。

(評価:★2)

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