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[コメント] 2番目に幸せなこと(2000/米)

父親の魂の叫び声。
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラスト、法廷でのロバートの主張。

「僕は保護者じゃない、父親だ!」

この魂の叫び声に胸が詰まった。

ラジー賞を総ナメにした作品だとは聞いていたが、なかなかどうしてよく出来ているのではないか。現実に起こりそうなテーマを上手く取り上げている。

ロバートのもどかしさ、そして息子サミーとの心の交流。ラストに車の中からサミーが「窓」のジェスチャーをするシーンや、「木曜日だからローストビーフで」とロバートに言うシーン、ジーンと来た。血は繋がっていなくても、心で結ばれた父親と子供。これ以上の繋がりがあるだろうか。

私は決して、子供を産んだ女性が新しい恋をする事を否定しない。子供が傷つかないように、子供が幸せになれるのならば、母親だって新しい人生を見つけても良いと思っている。でも、この場合はなあ・・・。

「ロバートとサミーを引き離さないで、このバカ女!」という以前に、アビーは本当にバカ女だと思ってしまうシーンが幾つかあるのだ。挙げるとキリがないのだが、最たるはアビーが自分の家でベンと裸で朝を向かえるシーン。ロバートが怒るのも無理はない。自分の母親が父親ではない男と裸で寝ている姿を見た子供は、どんなにショックを受けるだろうか。もーちょっと自覚してよ、このバカ女がぁー。

法廷でのシーンに、弁護士がロバートに向かって「男とのオーラルセックスを子供の前でした事があるか」と訊ねていたが、ゲイだということでどれだけの偏見を持たれているかがよく判る。男女が裸で寝るのは良くて、ゲイだと子供に悪影響を与えると思われてるのかなあ。まあ、それ以前にロバートならばこの辺の父親の自覚はあると思うけど。

あやふやな、これから彼らの人生はどうなるのだろうかと思わせるラストだったが、彼ら(現実に子供を持つゲイの人々を含めて)の幸せを願わずにはいられない。

(評価:★4)

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