[コメント] ネットワーク(1976/米)
主題よりも、中年男の哀感漂う恋愛に惹かれてしまう。
見るのは3回目ぐらいだが、見る度に視点が変わって面白い。
メディアによる大衆操作や視聴率第一主義の偏向ぶりなど、今や手垢がついたテーマで、スタジオのセットや劇中番組の演出も時代を感じさせる。 見るたびに面白くなってくるのは、付け足しのような恋愛。
賞を取ったピーター・フィンチは目立ってはいるが、彼の内面は掘り下げられておらず文字通りの狂言回し。おいしいのは、唯一人間性の回復を訴えるウィリアム・ホールデン。セックスの最中でも仕事が頭から離れない超キャリア女に惚れるという設定にムリがあるが、同じ中年男(しかも家庭崩壊ぎみ)の自分としてはいたく感情移入した。出会いと別れのそれぞれのセリフがいかにも映画的で、それがまたよい。
シドニー・ルメットも好きだし、このあたりの時代の映画の空気感も好き。自分が歳とったような気もするが。
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