[コメント] 破れ太鼓(1949/日)
経済の利害は時代を越えるために、阪妻の辛みだけが伝わってくる。彼の人生に話が帰着するに及んで、辛みは逆流して阪妻は昭和のモラルを越えていく。彼は女中の病気に偏見を持たないのだ。
モラルと利害の互換は、経済の利害から最も遠い木下忠司が遊民ゆえに阪妻を誰よりも理解している逆説のオチを導く。
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