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[コメント] クリクリのいた夏(1999/仏)

あの「沼地」で暮してみたい。(05・5・24)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この映画には、現代人の無くしてしまった物が全て入っている。金持ちの銀行家は、昔の貧乏時代を忘れず「沼地の人」との交際も続けている。

 自分のやりたい事を、自分で決められる人が、本当に自由なのだ。お金をたくさん持っている人よりも、時間をたくさん持っている人の方が豊かなのである。ルイ・アームストロングの音楽が聴けて好きな本を読める自由な時間。「私たちは最後の自由人だ!」

 何よりもあのような自然のそばで暮せたらどんなに良いだろう。現在の日本はどこへ行っても同じような景色しか見られない。これは豊かなように見えて大変に貧しい風景である。

 戦前の良き時代を描いた作品だ。フランスも日本同様「沼地」のような自然を破壊して巨大ショッピングマーケットを作ってしまうというラストが悲しい。

 老婆になったクリクリの語りでこの物語は進められる。最後に「伝聞や私自身による脚色が入っている」という、余計な弁解めいたナレーションがあった。本当は3点にしたかったのだが、画面の美しさに+1点。

(評価:★4)

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