映画館で観なかったので，あの”完璧な嵐”の迫力が実感できなかったのは残念。でもテレビ放映で観て，この程度の話にわざわざ時間とお金をかけて映画館に行かなくて良かったと思ってしまったのも事実。

すでに何人もの人がレビューで書いているが，それなりにベテランの船長（ジョージ・クルーニー）が，いくら意地とプライドのためとはいえ，あんな無謀な行動をとるわけがないと思う。海の男だったら，海の怖さは一般人以上にわかっているはずだ。ハリケーンが来ているのに気象情報にぜんぜん注意を払わないのもおかしいし，それ以前に当初の目的の漁場でカジキが獲れないからといって，安易に難所といわれている他の漁場まで足を伸ばすのも何か変だった。

結局，この話って，無謀で無能な漁師たちが大きな嵐で遭難した…って話になってしまっているのでは？　冒頭でジョージ・クルーニー演ずる船長は，船主から仲間の女船長と比較されてコケにされたことにプライドを傷つけられ，あんな無謀な行動に出てしまうのだが，やっぱり彼女の方がずっと優秀な船乗りだったわけだ。