[コメント] 未知への飛行(1964/米)
序盤、いささかたるいというかのんべんだらりとしたテンポでやや退屈な部分がある。だが、その部分があるからこそ、後半、異様なまでに高まっていく緊張感の恐ろしさがひしひしと感じられる。
ヘンリー・フォンダの初登場のシーンからして、なんだかのどかな光景でさえある。秘書のような女性に冷房がどうのと軽口をききながら入ったり、手の傷は犬にかまれたからとかどうでもいいような会話もあって、とてもに最初は地下深いシェルターに通訳と二人きりでこもるよにはとても見えず、「何やってんだこれは?」と思ってしまった。
そこから、大掛かりなセットに頼らず俳優の芝居だけで緊張感をつくり出し、最後はもう身を乗り出すところまで魅入られてしまった。
それにしても、背筋が凍りつくような映画だ。1964年製作だから、もう50年近くたっているが、今の世界はこの映画を昔の、よく出来た作り話だといえる状況になっているのかと考えざるをえない。
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