[コメント] ボーイズ・ドント・クライ(1999/米)
どうすれば,こんなことが起こらなかったのだろう?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ブランドンが撃ち殺されるという,最悪の結末を迎えてしまった理由は何だろうと考えた。
絶対悪のような人間は,殺した2人を含めていなかったように思う。この2人も,男だと思わされていたことに対する腹立ちや,だまされたという憤りがなければ,殺害に至るまではヒートアップしなかったように思う。 ならばブランドンが最初から言えばよかったかというと,閉鎖的な周囲の状況から言えなかったわけだし,じゃあ大人しく体の性別どおりに女として生きていれば・・というのは問題外だし間違っている。 考えていくと悪循環に陥ってしまう。
一番良いのは,性同一性障害や同性愛などの性的少数派にある人が,抵抗なくそれを公表できる社会にすることだと思うが,そのためにはまず,どこからこの悪循環を断ち切ればよいのか。特にこの事件のように身の危険まで伴う状況の中で,自らの性質を公表していくのは難しいし,それでは状況は変わらないだろう。 現在は,多様性を認めていこうという風潮で,性的少数派に対する社会の見方も変わってきているが,この事件のような悲劇が実際にあったことをもっと多くの人に知ってほしいと思う。生理的嫌悪感や差別的な感情を当たり前に持っている人たちが問題意識を持ち,変わっていかなければ同じ轍を踏む可能性はなくならないと思う。
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