[コメント] U−571(2000/米)
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第二次世界大戦の帰趨を決したというドイツ軍最高機密“エニグマ”を巡る作戦を描く作品。エニグマとは“謎”を意味し、絶対解読出来ないと言う自信を持ってドイツでは使用されたそうだが、大戦初期こそ連合軍は血眼になってこの暗号機の奪取に努めたそうだが、大戦末期にはアメリカ軍によって解読されていたそうだ。
ただし、この設定はあくまで付け加え。本作の見所は潜水艦内での息詰まる緊張感にこそある。これは『U・ボート』(1981)で既に確立されたやり方ではあるが、流石に技術の進歩は凄い。DTSの音響の効いた劇場でこれを観ていると、周囲からミシミシという音が聞こえてきて、潜水艦内の緊張感はいや増す。新技術を遺憾なく用いた演出に関しては最高レベル。
ストーリーはその緊張感を最大限に活かすべく緩急を上手く用いて飽きさせることなく、なかなか面白くはあった。
だけど、この映画には致命的な部分があった。
見せ場を優先しすぎたため、肝心の設定部分がお粗末に過ぎたのだ。「沈黙の艦隊」のような漫画ならいざ知らず、第二次世界大戦中に潜水艦同士の戦いが成立出来るはずはなく、ましてやあの艦砲射撃と魚雷の戦いなど、いくらなんでもこりゃない、的演出が目白押し。更にいくら機関部分の壊滅で整備員がいなくなったとは言え、アメリカ軍によってあんなに簡単に直ってしまうような故障をU−571乗組員の誰も直そうとさえしてないと言うのは設定的に無理があり。
後、ロッカーをキャラの中に入れたのは問題で、どうしても演技に下手さを感じさせてしまってはいけないな。
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