[コメント] ゾンゲリア(1981/米)
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鑑賞後に何か込み上げてくるものがある点はロメロ作品に似ている。これは、クリエーターの(ゾンビ)解釈が巧く表現できていることの証だと思う。まぁロメロと一線を画しているのはサスペンスらしい進行やゾンビそのものの「実態」なんだけども。それでも、既にOPの海岸シーンで発揮されている柔らかな映像や白黒フィルムの挿入など、映像のセンスには長けていると思う。また、解釈の基本には「ブードゥー」による蘇生があることも真面目で好き。
特殊メイクも凄味があり、顔が蘇生されていくまでのシーンは、ホラーファンには堪らない時間だろう。ホラー描写はホラーらしく描かれているのも評価できるところで、注射針やら硫酸やら小道具も良いね(そんな描写は、ロメロなんかよりもフルチっぽい…笑)
警官の苦悩が次第ににじみ出ていく展開は切なさたっぷりで、また一方でゾンビ(住民達)の不気味さは増大していく。ただ、事の真相はあまり好きではない。警官が実は死んでいたなんてことではなく、元をたどれば「爺さんの道楽だった」ことがちょっと気に食わない。おそらくB級映画で安っぽい映像の連続なら、爺さんのキャラクターはこういうオチでは光り輝くもんなのだが、こうも出来が良いと(苦笑)、安易な発想がある根本に苛立ちが隠せなくなってくる。ま、これは俺が真剣になっちゃってる証拠でもあるけれど、、。いわゆるシャマランオチはお約束だが、時代を考えると先取りしていたのか?警官だけは常人な描写がされていただけに予想外といえば予想外で、結構好きだな。
「『サンゲリア』のほうが面白いだろ〜」とは言わずに、ぜひゾンビファンには鑑賞してもらいたい一本だね。
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