コメディテイスト溢れる恋愛ドラマ｡

夫の依頼で妻の浮気調査する探偵キャラはコメディチックながら､ベリンダとチャールズの夫婦間のエピソードはシリアスで､一見バランスが悪く見えながら､寂しさを秘めたベリンダと探偵クリストフォローとの情事では､彼のコミカルなキャラクターが清涼感となって､雰囲気が和み､いい味を出している｡

演出やキャラの作りこみもあるだろうが､クリストフォロー役のトポルの演技の持ち味もなかなかよかった｡最後に自分の生きがいを取り戻してくれたベリンダとチャールズの縒りを戻そうするところなど最高の演技だった｡ベリンダ役ミア・ファローはチャールズと出会ったころの天然でおっとりとしたキャラから､チャールズとの関係で寂しさを感じる表情まで多彩に演じ分けているし､笑顔がかわいい｡

ベリンダとクリストフォローの交流シーンは､会話もなく進行するのだが､不思議と２人の楽しそうな感情が伝わってくる変わった映画だった｡