[コメント] 自由、夜(1983/仏)
ここでも痛切に胸を打つのは何かが起きる場面よりも、ミシンを打ったり編み物をする女であったり、男女が何気なく一緒に佇んだりする、何も起きない時間を描いたショットの方なのだ。
それは、あえてショットを引き伸ばすこと、そして更にジャンプカットや暗転を挟み込むことによって、短いカットには本来出現することのない、何か新たな時空感覚を映像に寄与しようと試みているのだろうか。海辺のロケーションと風の開放感。寡黙な映像の中、ラストの高速度撮影は予想外で驚いた。
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