[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)
映画を見終った人むけのレビューです。
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20世紀、憧れの女性は『道』のジェルソミーナ、『上海バンスキング』のまどか嬢、『ブラックジャック』のピノコだった。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を見て、忠犬ハチ公なんて目じゃない動物映画の王道だわ、と思って多幸感につつまれていたら、周囲では、どうしてあんな酷いことになるんじゃ、頑迷なヒロインには全く共感できない、荒唐無稽過ぎ、等の批判ばかり聞こえてくる。巷で見かけるテキストではフェリーニの『道』のと比較する議論が多いので、試しに友人にそのへんどうなのかと尋ねてみた。
私「動物虐待だからいけないのかなー?」
友「虐待でもさあ、闘牛なわけよ。日本人が闘牛見ると残酷だ〜って思うじゃん。俺なんてどうしても見ることできないのよ。でもガイジンに言わせると猿回しっていうのは、かしこい猿の背中にヒモ括りつけて引きずり回して、なんてまあ残酷なんだって話になるわけ。」
私「ウンウン、で?」
友「ラース・フォン・トリアーは闘牛なわけだ。で、フェリーニは猿回しなのよ。」
私「???」
友「だからさあ、どっちも可哀相な女という動物を虐待するんだけど、その虐待方法が違うってこと。猿回しより闘牛の方が日本人にとっては残酷に見えるってことじゃないかなあ。」
確かにラース・フォン・トリアーの虐待もの(このカテゴライズでいいのか?)は、ヒロインがあまりにムチャで合理的でないので、感情移入することは難しい。でもその尋常じゃない意志の強さは見習いたい。
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