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[コメント] お熱いのがお好き(1959/米)

「面白い!」まさにその一言。ラストの一言には大爆笑。そして笑った状態のまま明るくなる劇場。この余韻がたまらなく良い 2003年12月31日劇場鑑賞(年越しフィルムマラソン1本目)
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかく面白い。マリリン・モンローがとにかくキュート。笑いの嵐だった。

ワイルダー作品は『昼下がりの情事』に続きこれが2本目なのだが、『昼下がりの情事』では終盤こそかなり面白いが前半1時間はだらだらと退屈、というのが第一印象。正直言って前半は眠かった。だけど、本作は最初から最後まで飽きさせない。テンポの良い展開。何よりも会話シーンの面白さ。「ゲラゲラ」と笑える最近のラブコメと違い、「クスクス」と笑える小ネタで盛り上げる。そして何と言ってもマリリン・モンロー。

ちょっとブラック(?)なホモネタもさらりと見せきり、ラブコメの王道=走る主人公までやってのける。嘘を嘘で固めて強がる男主人公の姿は『昼下がりの情事』のオードリーの姿に少し被った。

あっという間に話は展開していく。そしてラストシーンでの大富豪の一言

「私は男よ」の一言に対して

「人間は完璧じゃないさ」

場内大爆笑でした。しかもここで映画が終わる素晴らしい終わり方。この時代の作品にはエンドロールなんてモノがなかったのだろうけど、エンドロール無しで正解。あそこでエンドロールを入れてしまったら何か違和感が残ったと思う。あの台詞を言った瞬間「The end」が表示されて場内が明るくなるにつれて観客同士が「あぁ〜面白かった」と言い合うあの光景はこの時代の作品だからこそ成しえる素晴らしさだと思う。

俺はこの瞬間、一本の作品としての映画ではなく、「大衆娯楽」としての映画の素晴らしさを思い知った。エンドロールが無いからこそ存在しえる素晴らしさ、こりゃ最近の映画じゃ味わえる訳はないよなぁ・・・

見終わった後のすっきりさのかなり良い余韻がたまらない。多少マリリン・モンローが演じている女主人公が尻軽に見えたりもするのはどうかと思うが、何故だか全く気にならないどころかむしろモンローを好きになってしまう凄さ。ラストシーンで全てを打ち明けた(一文無しの)男を受け容れる、という素晴らしい結末。

晴れて二つのカップルが誕生し映画は終了というトンでもない(?)オチ。

俺はクラシック映画はどうもテンポが・・・と敬遠気味ではあったが、この作品を見て見直した。何て素晴らしいラブコメだ。近年でもここまで面白いラブコメは中々無いと思うし、ギャグの内容も随分変わってしまい、もはやこの様な作品は作られる事はないと思う。

そんな環境で育った俺がこの映画を見たのだから新鮮な感動だった。

文句なしの面白さ。即効DVDを買いに走りました。劇場で見れた事に激しく感謝。そして改めてワイルダーの凄さを思い知った。

余談になるが、これを鑑賞した後、年賀状配達のアルバイトだったのだが、配達しながら「I wanna be kissed by you」と歌いながら配達していたら変な目で見られた・・・それだけこの作品が素晴らしいって話でした(謎)

(評価:★5)

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