[コメント] 荒野の決闘(1946/米)
ジョン・フォードの傑作中の傑作。どの俳優のどの仕草を見ても飽きない映画だ。
この感覚はジョン・フォードを師と仰ぐ黒澤明も一緒。黒澤明がジョン・フォードの影響を受けているとすれば、こういう映画の部分部分だったりするのではいか。
『用心棒』や『椿三十郎』で主人公のライバルが出現する。こういう設定こそ、ここが原点なのではないかと思わせる。
この映画が上映されている頃、黒澤は『姿三四郎』の続編とか『わが青春に悔いなし』など、デビューして試行錯誤している頃だ。
『虎の尾を踏む男達』の撮影をジョン・フォードが見に来ていたことは有名。黒澤はそのことに全く気づかなかったらしい。
後にこの二人が再会したときは『ジョン・フォード』が随分歳をとっている頃で、帝国ホテルだったと聞く。
黒澤の帰り際にジョン・フォードが最敬礼して送ってくれたなど、この二人の映画と私生活の接点は興味深い。
二人の大御所がそれぞれ影響を受け、その後コッポラやルーカスに影響してゆく様は、映画を長く楽しむ者としてこのうえない楽しみであり慈しみである。
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