[コメント] バトル・ロワイアル(2000/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品を初めて見た時、私は登場人物の彼らとごく近い年齢でした。作品の評価は、話題性程高いとは言えないですが、その時この作品が私に与え、受け取らせてくれた物はとても大きいと思います
この内容は、私が冷静に映画評価をする事を妨げました。役者の演技が下手だ、演出が下手だ、何じゃこりゃ……少なくとも当時の私にとってはそんな事どうだって良かったのだろうと思います。ただ、不条理な状況下で自分と年の近い学生達が殺し合う。例え、現実にあり得ないと誰かにきっぱり否定されても、親身に考えずにはいられなかったでしょう。1人1人の死にゆく様に感情移入し、友達を想い、自分だったらどうするか、どうなるかと重ね合わせ、もし自分が死んだら家族はどう思うだろうと考えたら、恐ろしくて悲しくて涙が出ました。テロップで流れる文字。それは確かに演出として幼稚かもしれません。でも、私を泣かせるには十分でした。この映画が何をテーマにしたか、何を伝えたかったか……それが100%判る日は来ないかもしれません。ただ、私が思うのは、BR法の如く不条理な事が多くあるこの世界を、大人に抱えている不満を、一杯に背負い、辛くても苦しくても、決して悔いのないように“走る”事です。そして、できる事ならば走っていくうちに出会う、自分の周りの人々の痛みを、少しでも考えられるような“大人”になりたいと心から願って生きていきたいと思ったりしました。
そういう私も、今年で20歳です。“大人”の仲間入りをしました。3年経った今見ても、この作品の評価は変わらず★5です。私に“映画的評価”をさせてしまったBRIIを見たからこそ、私は更にこの作品の素晴らしさを再確認しました(そのせいでBRにも映画的評価をせざる終えなくなったのも事実)。20歳になり、改めてこの作品を見て、自分は“走ろう”と思いました。ただがむしゃらでなく、目に映る様々な物にいちいち一喜一憂しながら……。この作品のラストの“走れ”は本当は皆様が、そして私が理解している以上に重いものなのかもしれません。
私が思った事はそんな感じです。クサイ台詞を連発しているかもしれませんが、どうかご勘弁を。私はこの作品が大好きなので…
あと、蛇足ながら…美男子支援として、安藤政信は最強に上手です。むしろ素敵。(こんな人がいるから、ダメになるのかしら…自粛)。桐山の役作りをしている時は、あまりに冷酷で無慈悲なこの役に侵食されかけて精神崩壊寸前だったそうです。怖い_
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