[コメント] ピッチ・ブラック(2000/豪=米)
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エイリアン惑星からの脱出映画。特に有名な役者を起用しているわけでもなくアクションも派手ではないがキャラクターと演出、エイリアンの造形の妙で秀作となった。登場人物の中では特に暗闇でも目が見える脱獄殺人犯リディック役ヴィン・ディーゼルが渋くダークさを醸し出していて最高にカッコいい。また、フライ役ラダ・ミッチェルも男性顔負けの行動力と演技力で映画上手く引っ張っていける存在感があり、ストーリーの構成も明のフライと暗のリディックのバランスが見事に取れていた。他のキャラクターも警官のふりをしている謎の賞金稼ぎジョンズ、リディックに憧れスキンヘッドになる少女ジャッキー、神を信じてやまないイスラム教徒イマムなど出てくるキャラが個性は揃いで分りやすかった。出てくるエイリアンもギャオスをイメージさせる怪物や蝙蝠みたいな怪物で数匹ではなく無限に出てくるところがすごい。動きも明かりを嫌うという設定で明かりがあって思うように動けなくなるところも問題なし。そして演出でも最初は太陽が三つあった惑星がやがて日食となり、太陽を苦手とする怪物が一斉に外に飛び出してくるのはなかなか迫力があったし、生存者が絶望的な状況になっても光る虫を見つけそれをビンに入れて必死に光を保ち生きようとするところやリディックとフライがきて飛行機まで離れないように手をつなぎながら逃げるというところも話は違うがパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』を思わせる演出で非常に緊張感があり人が死んでも変に人情ドラマになりやすいこの手の映画の中では人情ドラマになってもなかなか感動できる。正直アイデアが出尽くしのエイリアン映画の中では2000年度作品としては最高の出来の一本。
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