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[コメント] 狼たちの午後(1975/米)

国も時代も違うのでなんだかよく分からないが、なんとなく分かる、感もある。この「なんとなく分かる」感が面白く、つい魅入ってしまう。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 事件の起きた1972年8月22日は火曜日(←調べた。なんとなく金曜日かと思ってたが、違った)。アメリカの市中銀行の営業時間が何時までか知らないが、彼らが閉店間際にこの支店を訪れたのは確かだ。守衛さんが「旗」(何の旗かは不明。だが「営業中」であることを示すものだと思われる)を下ろして片付けようとしていた。日本でいうところの2時56分とか57分、もしかしたら3時02分ぐらいだったのかもしれない。

 この時間帯「にも関わらず」なのか「だからこそ」なのかも分からないが、すでに支店にあった現金紙幣はどこかへ(どこかは不明)輸送されたあとで、支店の金庫にはたった「1100ドル」しか残されていなかった。これに気づいて「1100ドルしかないわ!」と涙声になる女子行員Aも面白いし(なんか分かる)、女子行員集団のリーダー格とおぼしき行員Bが「あんたたち、ちゃんと(強盗を)計画してやってるの?!」と詰め寄るシーンも面白い(なんか分かる〜)。

 ちなみにこの時代・時期は、前年1971年のいわゆるニクソン・ショックで1ドル=360円の固定相場が崩れたものの、73年に変動相場制へ移行する前の中間期で、1ドルは300円程度に固定されていたようだ(←これも調べた)。つまり約33万円。貨幣価値が分からないが、ざっと3〜5倍(←超適当)として、だいたい100万〜150万円。大金でないとは言えないが、「銀行強盗」の犯人となるリスクに見合う額とも言えんわな。もうひとふた桁うえを期待してたのは間違いない。このがっかり感、なんでか知らんがよく分かる〜。

 一番わかりづらかったのはやっぱソニー(アル・パチーノ)の「アティカ!アティカ!」で野次馬連中が「わーい!」となったとこか。前年の「アティカ刑務所暴動事件」(←これも調べたッス)のことをソニーも触れていたが、よっぽど当時のアメリカ庶民にゃ「警察のやり過ぎ事件」の印象だったのかと、飲み込まざるを得なかった。TVの録画で観たので、CMを早送りする時間帯とかあったのもよかったかも。

 35年前の初見時には、『ゴッドファーザー』は未見だったので、「こいつら兄弟だったじゃん!」はなかったのも確かだ。

 最後は、サル(ジョン・カザール)の突然の射殺、こめかみに銃を突きつけられ身動きの取れなくなるソニー、「絆」かなんかが芽生えたように思えた人質たちが自分の方など見向きもせず解放を喜ぶ姿(を見せつけられるソニー)、目の前を運ばれるサルの遺体など、「分かる」「分かる」「分かる」で畳み掛ける演出もお見事でした。

85/100(25/4/7再見、★1つup)

※以前のコメント:犯罪者の肩を持つ気がおきず(映画の中の)アメリカ人ほど盛り上がれなかった。

(評価:★4)

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