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[コメント] 人魚(1968/ベルギー)

トラウマ(?)と言うのも変だが、私の原体験の一つとなっている作品
ペペロンチーノ

人魚』というタイトルもラウル・セルヴェという作家名も知らずにいた。だがこの作品だけは強烈に記憶に残っていた。

高校生の時だから約20年前、おそらく1983、4年頃だったと思う。栃木県内のラジオ番組主催で自主制作アニメの上映会が行われていた。その番組のリスナーだった私は観客として参加し、後に親友となり20年後の今日もそれは変わらない彼は出品者として参加していた。その時二人は同じ高校ながらも面識は無かった。

そのイベントの中で何本か海外の短編アニメが特別上映された。その中の一つが本作。

どうやら2000年にユーロスペースで公開されその後DVD化されたようだが、タイトルも作家名も知らなかったその時の私に知るよしもない。それを知ったのは2004年、DVDを入手したと親友から連絡があった時だ。

「あの時の映画覚えてるか?」

「もしかすると、赤いやつ?」

先に述べた通り上映会時には面識の無かった二人。後に「実は上映会にいたんだ」という話はしたものの、その時に観た映画の話をした記憶はない。もしかすると話していたのかもしれないが、それも遠い昔。記憶の表層上ではそんな映画を観たことすら覚えていないほどの昔。ただ、彼の中にも本作は強烈な印象として残っていたのだ。

DVDのパッケージに並んだ短編のタイトルを見て思わず叫ぶ。「『人魚』だ!」 実際に鑑賞して記憶が蘇る。細部に至るまで覚えている。間違いなくこの作品だ。

そこには20年前と変わらぬ鮮烈な“赤”が待っていた。

(評価:★4)

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