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[コメント] スナッチ(2000/英=米)

とにかくテンポを「早く!早く!早く!」した結果、BPM180のドラムン・ベースのような作品に仕上がった。
ケンスク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







公開当初映画館で見たのですが、ストーリーを忘れに忘れてしまっていたので、DVDを買って見てみることに。

本作よりも、前作の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のほうが面白い、とか、本作は続編的で2番煎じ的で展開も読める、とか、そんな評価が巷では多いような気がしていました。ご多分に漏れず、私自身も当初はそんな印象だったのですが、「意外にこの映画すごいんじゃないか」と見直して思わされました。

それはひとえに「テンポよく上手くまとめた」ということに尽きると思います。

話は少し変わりますが、サラリーマンの方の多くは、社内向け・社外向け問わず、パワーポイントでスライドを作って、プレゼンをした経験をお持ちのはず。パワーポイントで難しいのは、実はスライドを「作る」ことではなく「削る」という作業です。決められたプレゼン時間の中で、要点だけを相手が退屈しないように伝える。これに多くのサラリーマンが悩まされているはずなのですが、ガイ・リッチーは本作でこの作業をすばらしくやってのけた、と言っても過言ではないでしょう。

DVDのおまけとして未公開シーン集というのがあったんですが、それを見ると、ベネチオ・デル・トロのちょっとした見せ場なんかも実はこの映画には組まれていたようです。映画に含めても何にもおかしくないほどのシーンがたくさんあるのに、ガイ・リッチーはテンポを重視するあまりそれを削りました。これはなかなか出来ることではないのではないかと思うわけです。

なるほど、これだけの登場人物を出しておいて、それなりにまとめている背景には、こういう緻密な取捨選択があったのだなあと納得した次第です。

(評価:★4)

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