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[コメント] ジキル博士はミス・ハイド(1995/英=米)

ショーン・ヤング…希有な人である。女優には様々なタイプがいるが、不安定な雰囲気(参照:石原真理絵、藤谷美和子)が本人の思惑と裏腹にパーソナリティになってしまった人。本作ではその彼女の放つ不安定さの生む存在感が爆発する。まさに彼女の為の彼女の作品。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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内容は「ジキル博士とハイド氏」が実在し、その子孫の青年(ティム・デイリー)が薬を手に入れてしまったら?というライトな不条理コメディ。基本はシンプルなストーリー展開ながら、互いの存在を反目しながら格闘しあう主演のショーン・ヤングデイリーの演技が馬鹿馬鹿しくて素晴らしい。

彼等を取り巻く周辺の人々が暴走する主人公(二人)に対し押さえた雰囲気でギャグを提供しておりバランスが良い。

冒頭にも述べたが結局はショーン・ヤングの独り舞台なのだが、モデル出身だけありスタイルもよくファッショナブルに次々とドレスを着こなし、若干、眉毛が濃すぎるもののクラシック時代のハリウッドでも通用する端正な美貌も健在(加えて声もハスキーだしアメリカ人の大好きなブルネットで正直、正統派の美人)で魅せる。…魅せるのに髭姿とか上司や同僚を体当たりで誘惑したり潔く披露しているのが非常にクールで素晴らしい。

キャメロン・ディアスとかドリュー・バリモアなどのコメディエンヌは可愛らしさをアピールしたり、ギャグを本人も楽しみながら演じちゃう部分があるが、このショーン様は、本人がおかしな状況にいる役柄を、真面目に、しれっと演じてしまえるのが独特の特徴。その辺りに元祖クレイジー女優の神髄を垣間見ることができる。

最終的に脚本もハッピーエンドできっちりまとめ、意外と設定に粗はあれど、破綻は少ないのであった。この手の無茶な設定で1本作品が撮りあげられてしまうところが天下のハリウッドであり、ハリウッドの底力をつくづく思い知らされる1本でもある。

(評価:★4)

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