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[コメント] 処刑人(1999/カナダ=米)

非常に危ういバランスをのまま、上手い具合に均衡を取っていた見事な作品。だけど、本作の本当の魅力は…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 本作品はいわゆるモラル・ハザードな作品だと言えるが、これはアメリカン・ニュー・シネマにおいて確立された感があり(『俺たちに明日はない』がその良い例。『明日に向かって撃て』もそうだな)、その後、タランティーノ監督の諸作品もそう言った雰囲気を強く持つ。そう言った傾向と同じように作られた作品だが、パワーを内包しつつ、あくまでスタイリッシュな姿勢を崩さないその姿勢には非常に好感が持てる。まともだったら狂信者にしか見えない兄弟の素行を肯定的に捉える事に成功しているし、良い具合に崩れも表現できているので、これだけ危ういバランスの中で巧く表現できていたんじゃないかな?台詞も練り込まれていているし。オチ部分もなかなか洒落てた。

 と、ここまでは理性的に書かせてもらったが、この作品の本当の魅力はそこではなかった。

 何せ、ここでのデフォーが又、とんでもなく格好良い。役割的には狂言回し的な位置づけではあったが、それにも関わらず、その存在感は際だっていた。いわゆる性格俳優と言われる俳優の中でもデフォーは特に大好きな人ではあるんだけど、これ程まで彼の魅力を出し切った作品は他にはそうない。

 とにかく凄い存在感。

 人を指さし、強引に問いを投げかけるデフォー。

 踊りまわるデフォー。

 血の付いた手袋をかけたまま髪の毛をかきむしるデフォー。

 ○○に愛撫されるデフォー。

 司祭に詰め寄るデフォー。

 女装するデフォー。

 濃厚な口づけをするデフォー。

 ○○○に寝転がって◇がる△△△の×××を●●ようとするデフォー(笑)

 デフォー、デフォー、デフォー。デフォー!

 もうこの魅力は、ファンにとってはこたえられない!

 ひとえにこの人の存在だけのお陰で、本作を★4から★5に引き上げさせてもらう。

(評価:★5)

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