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[コメント] ブラジルから来た少年(1978/英=米)

本作の撮影はアンリ・ドカエなのだ。全編画面は美しい。これはストロングポイントだ。フランクリン・J・シャフナーの演出は、相変わらず緩い部分もあるが、手堅くまとめている。
ゑぎ

 多くのロケーションを繋ぐ構成も緊張感維持に寄与する。特に、これはオープンセットだろうか、南米の隠れ家の造型はいい。

 俳優ではグレゴリー・ペックが相変わらずの大袈裟な演技で鼻白む。しかし、これは想定内だ。ローレンス・オリヴィエはペックと比べると普通だが、これも彼らしい辛気臭い演技だ。脇役だと、オリヴィエの妻役がリリー・パルマー、というのと、ラストの対決の舞台となる家の主がジョン・デナーという、いずれも1940年代から多くの傑作に出演している役者が使われているのが嬉しい。あとはブルーノ・ガンツが研究者の役で出て来るが、今(2010年代)と雰囲気がほとんど変わらないので驚く。あと、収監されている元女看守のユタ・ヘーゲンが、偉そうで怖くていい。

 とは云え、一番印象に残るのは、タイトルにある少年たち(原題では複数形)だろう。気持ち悪くてグッド。ラストの対決シーンで、ドーベルマンを扱う演出がいい(冷静に考えると、「彼」に対する偏見満載ですが)。

(評価:★3)

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