[コメント] 荒野の隠し井戸(1967/米)
ヒッチコックとのコンビ作が名高いロバート・バークスの遺作。屋外でも屋内でも仰角を多用した撮影が実にこの面白さに貢献している。ハッとする画面が随所にある。
例えば、決闘シーンの後の夕景をバックにしたジェームズ・コバーンのカット。或いはホテルでティモシー・ケリーを待ち受けるコバーンとキャロル・オコナーとのやりとり。
レイプされたヒロインの扱いがフェミニズムの観点から云うと問題ありかも知れないし、保安官補・ブルース・ダーンが筋にからまない繋ぎの悪さだとか、騎兵隊長・ジェームズ・ホイットモアの笑いにならない中途半端な間抜けぶりだとか、演出の欠点も目に付く。また歌で物語を転がしていく手法についてはデーヴ・グルーシンのメロディが心地よく最初は面白かったが、だんだんと飽きてくる。全体的にコメディとしては今ひとつだと思う。しかし、ジェームズ・コバーンとキャロル・オコナーによるピカレスク・ウェスタンとして結構よく出来ている。コバーンは相変わらず彼らしい器量の大きい悪漢ぶり。特筆すべきはキャロル・オコナーの存在感だろう。前述のバークスの撮影がピカレスク・ロマンとしての雰囲気をよく出している。またヒロイン・マーガレット・ブライも屈託の無いセクシーさがいい。彼女の出演作をもっと見てみたくなった。
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