[コメント] アメリカン・サイコ(2000/米)
なんとなくどころじゃなくクリスタル。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ベイトマンのいくつもの殺人は発覚せず、告白された弁護士もジョークとして受け取る。殺人という許されざる欲求の果てが、逮捕されて罪に問われるはずなのに、現実感がない。ベイトマンの一人称で語られるので妄想だったのか、はたまた現実だったのかは定かではない。それはともかく、あれだけの殺人なのに手応えがない。現実からの手応えが観念化してしまっているのだ。
逆に、ベイトマンの秘書は現実そのもの。彼女が、彼のダイアリーを見つけて涙を流す。副社長なのに仕事どころか、妄想(?)を描き綴っているなんて・・・。
この作品は一場面一場面がツボ!
名刺で負けた腹いせにトイレで絞殺しようとするが、ホモと勘違いされて逆に迫られるとか、
直接スプーンを机に置かれるのを嫌ったり、
ネコをキャッシュディスペンサーに押し込もうとしたり、
全裸チェーンソーでの疾走とか、
トレンディレストランで「ビデオ返しに行く」とか、
そんな笑えるはずではないシーンが妙に可笑しい。
これは80年代の空虚な華やぎを象徴する作品だと思う。ボートハウスやSEA’S(クリスタルではないが)なんかのトレーナーをこれ見よがしに着ていたあの時代が恥ずかしい。今でもポストモダン消費社会とも言えるが、90年後半から今では流行に流される人はじょしこーせー以外は少ないだろう。流行に流されていたそんな時代を思い出すために、フィル・コリンズのスースーディオでも聴き直してみるかい。
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