[コメント] ブラックボード 背負う人(2000/イラン)
奪われ続ける子供達は、もはやどんな急峻な山を前にしても立ち止まることを許されない。追われ失い続ける民達もまた、荒涼たる砂漠の中にすら留まる場所を見出せない。読み書きや数勘定とは手段であり、彼らに本当に必要なのは手段を駆使するための目的。
しかし、教えることが食料を得るための手段と化してしまった教師たちもまた、目的を見失った者たちでしかなく、目的が定まらぬ彼らの言葉や行為に説得力が生まれるはずなどないのだ。
奪われる、彷徨う、失う。そしてまた、奪われる、彷徨う、失う。・・・・・永遠に「得る」ことが叶わない負のスパイラルの恐ろしさ。
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