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[コメント] M(1931/独)

まだ見ていない方、ぜひ予備知識なしで見てほしい。『』の意味を…
chokobo

実際にあった連続殺人事件をヒントに作られた作品である。

まず、最初に連続殺人事件ありき。町では噂が噂を呼ぶ。警察の徹底した捜査。徹底的に検挙を繰り返し、繰り返し、疑わしい者を徹底的に取り調べる。この勢いのあるシーンにも目を奪われるが、犯人からの無事宣言。「俺は絶対につかまらないぜ」という愉快犯的な抵抗。これだけで十分観客の気持ちをつかんでしまう。フリッツ・ラングのうまさ、巧みさが伺える。

そして『』の文字。あの肩越しの『』。ネタバレになりそうだが、ここからが恐怖。この文字の男、口笛、そして風船、子供、再び殺人、この展開の勢い。スピード。サスペンスの手本である。ヒッチコックも十分ここから学んだことが想像される。

主演のピーター・ローレこれまた実に恐怖顔。存在そのものが恐怖。しかしこれだけ情報を揃えて、お定まりの結末が見えていようと、これほどまでみ瞬きする間もなく見る者を飽きさせない手法はラングの腕、というほかあるまい。

(評価:★5)

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