[コメント] イマジン ジョン・レノン(1988/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この作品を見て、特にビートルズの初期の魅力がとても強く伝わりました。
ビートルズはやはり初期のマッシュルームカットのころが最高ですね。
でも一気に人気が高まって、その心境を『HELP』という楽曲で表現しようとしていたなんて、後から気づくことであって、当時は熱狂だけがとりざたされました。
しかしよくこれだけの映像を整えたと思います。
印象的なシーンがあります。
ジョン・レノンの家を訪ねてくる若者との会話です。
彼はジョンのことを神格化していて、音楽で一体化したいと希望します。
しかしジョンは
「歌なんて、言葉を遊んでいるだけだ。」
と言い切るんですね。
これは衝撃的だし印象的でした。
言葉を遊ぶだけ。
それが音楽なんだと。
これはその場しのぎで言った言葉であったとしても彼の内実を十分すぎるほど示していますね。
リスナーは彼の言葉遊びに酔いしれているんですね。(私も含めて)
ジョンを若者に
「腹減ってるか?」
と聞いて、彼を言えに招き入れます。
神格化したビートルズのジョン・レノンが平凡に写るこのシーンに凍りつく思いがしました。
ジョンは自らがコンテンツであることを深く理解していたんですね。
そしてそんな会話や彼の晩年の生活が映像化(コンテンツ)化されている。
そんな虚構の中で人々に夢や希望を与える。
虚構の中のコンテンツ。
そんな言葉は飛び交います。
でも、それでも彼の残した作品は深く深く美しい。
生活の中から生まれる彼の自然な発想が人々に夢を与えていたなんて、すごすぎますね。
驚きとともに感動が押し寄せます。
すばらしい作品でした。
2010/12/24 自宅
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