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[コメント] 世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す(1956/米)

年代的に考えると宇宙人=共産主義になるっぽいですね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 これも1950年代ハリウッド特撮を語る上で欠かせない作品。丸みを帯びた宇宙人のデザイン(正確に言えば装甲だが)や、ストップウォッチアニメーションで動く円盤の動きの良さもあるが(カクカク動くんだけど、特撮ファンにとってはこれが楽しいのよ。更に円盤の突撃による建物崩壊までアニメーションで作られているという凝りよう)、何の躊躇もなく地球を襲撃してくる宇宙人というストレートな侵略ものの作品というのが、かえって新鮮に思える。下手に捻るよりもこういうのの方がより宇宙人の恐ろしさを示していて、格好良い特撮を観たいという、特に日本人には好印象を持たれるのだろう。実際これはかなり燃えるよ。

 …しかし、これが作られた時代というものも合わせて考えてみると、これは冷戦下での共産主義との戦いというのを念頭に置いているのではないか?という、うがった見方も出来る。実際、宇宙人がアメリカを攻撃する際、基地などの戦略的優位点だけでなく、わざわざワシントン記念塔などの象徴的建物を選んで攻撃しているとか、“世界規模での頭脳を集めた”と言いつつ、それらが全員アメリカ人だったり。そうそう、宇宙人が用いている脳波走査も当時恐怖の対象とされていた共産主義国家による洗脳を示しているような気にさせられる。

 『禁断の惑星』(1956)と並ぶ1950年代の傑作SF作品として記憶に留めるべき作品で、この作品にインスパイアされた映画は数多い。

(評価:★4)

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