[コメント] 地獄の天使 紅い爆音(1977/日)
ヒロインの入鹿裕子は、お約束のようにアヴァンタイトルから乳房をさらけ出すファイトを見せる。この一作だけで映画界から姿を消したことが惜しまれる。本作ではまだ硬さが残る演技だが、映画出演を重ねれば、きっともっと良くなっただろうと思わせる。
のっけからズーミング、斜め構図、カメラのぶん回しのような手持ちパンニングといった落ち着きのない画面が続く。だが、これがなかなか悪くないのだ。これだけ徹底されると貶す気も無くなって来る。そして中盤、舘ひろしが登場すると、依然ズーミングの嵐だというのに、何故か画面に安定感が出てくる。そしてプロットも収束し引き締まって来るのだ。内藤誠、田中陽造、荒井晴彦という豪華トリオによる、プリプロダクションの設計が活きてくる。
また、最初期の初々しい森下愛子を見ることができる、という価値もあるのだが、それ以上に、横須賀のバー(というか娼館)のママを演じる津和のり子という歌手の数少ない記録映像として価値がある。彼女は冒頭の主題歌「ほれてふられてブルース」も唄っており、そのハスキーボイスを確認することもできるのだが、役者としても、私は最も面白いと思った。そして、友情出演的な内藤やす子も大真面目に演技しており、これも悪くない。
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