[コメント] 震える舌(1980/日)
破傷風は確かに悪魔的な存在だが、野村芳太郎の演出力はそれ以上だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これも凄いです。野村芳太郎の悪魔的と言っていい演出力。本作の場合は、なんと言っても心電図ですね。いやもちろん、子どもが歯を食いしばって口をイーとやるシーン、口の中が血だらけで、それだけでもう見ちゃいられない、正視に耐えないという感じになるんですが、冷静に考えりゃ血は血糊ですし、そもそも歯を食いしばるだけでなんで口ん中血だらけになるんじゃい、という話です。のけぞるシーンだって単に子どもにブリッジやらせてるだけやんけ、という話なんです。まあ、観てる最中に冷静さを取り戻す瞬間はなかったですがね。
しかし、心電図です。これは映画だし、しかもこれだけの思いをさせられてんだから、いくらなんでも最後は助かるんだろう、いやそれ以外の結末は受け入れられない、という思いで観てるわけじゃないですか。そこに心電図ですよ。最初に考えついた人は凄いと思いますが、映画やテレビドラマにおいて、心電図はこれまで心肺停止の瞬間を描く手段として、人の死を表現するツールとして機能してきたわけです。そんな不吉なものがフワーッと画面に現れてくるんです。かすかな希望まで打ち砕かれるかのようで、観てるこっちの方が心臓停まるんじゃないかと思いましたよ。こう書いている今も涙目です。
コメントは言い過ぎだとしても、破傷風の威力に負けないだけの演出の威力があるとは言えるのでないか。それだけの演出力があって初めて成り立つ作品だとも。
14/09/05記
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