[コメント] オールナイトロング(1992/日)
夜は明けない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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言われているほど悪い作品ではないように思える。
注目すべきは終盤の、まとまりの悪さ、なのではないだろうか。少年の一人が不良グループに恋人を残虐にレイプされ、少年達は復讐に不良グループを襲撃する。ところが、少年達は連帯なく動き、一度は不良グループに反撃を許してしまう。そこで、暴力性を露にしていた金持ち息子はあっけなく殺される。恋人の復讐に燃えていた少年は不良グループを惨殺した後、嗚咽をもらしながら不良グループの女をレイプし、仲間に射殺される。女は発端のレイプ事件を自分たちのグループのはずがないと言う。一人生き残ったガリ勉少年は一度は助けた女を殺し、さらに一つの殺人を行い、街へと消えて行く・・・。ここに「流れ」らしいものは見出せない。何もかもが切れ切れで、節目も節目として機能しない。ただただ続く。「終わり」が見出せない。夜が明けても、なお暴力は続く。
結局の所、暴力は何も解決してくれないのだろう。そして、また、我々は暴力を「解決」など出来ないのだ。一晩中続く惨劇。それでも、夜は明けない。
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