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[コメント] クレージー黄金作戦(1967/日)

右肩上がりしていた日本経済が、どれだけ世界に嫌われていたのかを知るためにも重要な作品かもしれない。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 大人気クレイジーキャッツ映画の一本で、日本映画としては初となるアメリカの現地ロケを行った作品としても知られる。当時非常に高額だったアメリカの、しかもラスベガスでのロケがあったという、題名通り金にものを言わせた作品(それで現地ではロケ中に「カジノの客に迷惑だ」と怒鳴り込まれ、非常に反感を買ったというおまけも付いたが)。もう当時はヒット当たり前と言った、横綱相撲的なバラエティ作。ヒロイン役の浜美枝も悪婦と聖女が混在する難しい役割を難なくこなし、その実力を見せつけた感がある。

 同じクレイジーキャッツ、殊に植木等を主人公にした“日本一”シリーズが、金以外のものに価値をおいているのに対し、東宝のクレイジーシリーズはまんま金を行動原理にしている傾向があって、その対比もおもしろい。

 今の目でこれを観ていると、なるほど当時エコノミック・アニマルと呼ばれた日本人がどれだけ嫌われていたかが分かるようで、多少苦笑い気味ではあるが、作品自体は安定したおもしろさがあって、充分楽しめる。

 そう言えば、今はチップは完全ICチップで、偽造は不可能なのだが、この当時は外国で作ったら偽造も出来てしまったのかも。なんて思わせるところは、やや知識欲を刺激するところ。当時の偽造対策はどうなってたんだろうな(本作では定期的にチップを新しいものにすることで対処していたように見受けられるけど)。

(評価:★3)

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