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[コメント] A.I.(2001/米)

最後まで救いのない、とっても酷い話だと思う。あのラストを「救い」だというのなら、それは欺瞞だ。そこにあるのが「絶望」だというなら、少し納得できる。
tomoyu-n

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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スピルバーグは、現在のおとぎ話を作りたかったのか? しかし、彼が作ったのは、おとぎ話のなかでも、昔のおとぎ話(民間伝承のような)に近い、底辺に残酷さが流れるものだった。

近代の児童文学の流れの中で、「おとぎ話」は、それを読んだ人に活力や教訓や生きる意味をもたらす役割を果たすようになった。それを現代人の甘えという人はあまりに傲慢で、近現代に生きる僕らの日常のつらさ、きびしさから救ってくれるところに、今もおとぎ話が語り継がれる意義があるのだと思う。

ディビッドの探求の旅は、僕らに何をもたらしたのか? 僕は、そこになにも見いだせなかった。あるのは「ディビッドが可哀想」とすすりなく、周囲の暗い雰囲気だけ。可哀想な話に涙するカタルシス。この映画の価値は、せいぜいそんなものだと思う。

(評価:★3)

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