[コメント] ホタル(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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山岡、藤枝、とも、おばあちゃん、この四人が戦争と戦争後を生き、悩んだ人々です。その中で藤枝は「生かされていた」と思いつづけ、そして天皇崩御と共に死を選びます。確かにその考えは間違っていません。本来ならばこの行動は山岡にもともにもおばあちゃんにもありえたのです。しかしどうして他三人は死ななかったのか。それは未だ彼らは生かされていたからではないでしょうか?
山岡は奥さんであるトモと戦争の傷を舐めあいながら生きてきました。つまり彼らは一心同体。どちらが欠けてもならなかったのです。一方が生きているから、自分も生きる。そう生かされてきたのです。事実、彼らは街の人々と上手くやってはいましたが、どうしても何か相容れないものがあった。閉鎖的だったのです。 そしておばあちゃん。おばあちゃんが生かされていた理由は義務だったと思います。おばあちゃんには遺族に遺品や遺骨を送る義務が残っていたのです。この義務のおかげか、せいかは置いておいて、つまり生きていたのです。おばあちゃんは年老い、最後の務めである金山総長への遺品送りを山岡とトモに委ねます。そしてまさに生かされる場所である老人ホームへと・・・。
では、最後に残った山岡はどうなるのか?これが疑問なのです。 生涯共にするはずのトモが死んでしまった。山岡は船を燃やし、全てに終止符を打ちます。さて山岡は今後どうするのか?彼にはもう義務はありません。生かされる理由もありません。では何のために生きるのか?では死ぬのか?これは未だ私の中で疑問です。山岡の今後はどうなるのか?監督に是非お尋ねしたいですね。
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