コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] もののけ姫(1997/日)

2回目の劇場鑑賞(計3回目)で再評価。☆4訂正→3.6→4.5。
死ぬまでシネマ

最初の印象は「物語が整理出来ておらず、最後は慌てて店仕舞いし、呆気なさ過ぎる」というものだった。しかし今回、人間の間の争い、自然の中の(神々の間の)食い違い等、宮崎 駿の提示する世界の広さを実感出来、自らの不明を大いに恥じたところである(宮崎アニメってこればっかなんだよな)。

自然と人間の共生を考えるアシタカは、遠い昔に大和政権によって東日本を追われたアイヌ民族の青年。進歩と発展を目指す人間には、程度の差こそあれ自然は破壊し搾取する対象にならざるを得ない。しかしタタラ場を束ねるエボシ御前は、病者と女達(虐げられし者)に対しては深い慈しみの心を見せる。そして仲間を守る為に、武士や帝と対抗する力を持ち続けようとする。

ジコ坊はどうせ帝の権威に従うしかないのだ、という自己弁護の論理で、周りを見ずに生きている。それでもアシタカは彼を殺せない。

守り生き抜く為には他者を犠牲にして良いのか、という問いは、今回も続いている。人間に出来る事は、より良い生き方を選ぶ事ぐらいなのだ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。