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[コメント] ハロー、アゲイン(1999/英)

原題「The Darkest Light」に込められたものは、暗闇の中に光を探し当てたいという願いと、光でさえも闇のごとく暗いという現実への皮肉。[シネマ・カリテ3]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「Coat!」「Walk!」など一語の台詞が印象的な、簡潔かつ手堅い脚本、そして暗い話ながらも抑えた演出が光るこの作品の限界は、口蹄疫という旬の話題を取り込んだまでは良かったものの、その問題は結局エンドマークが出るまでには解決しないことである(確かに現実においても、口蹄疫問題は未だ解決の糸口すら見つかっていないのだが)。

ラストシーンでは神から与えられ、また持ち去られたもの=「命」のテーマに立ち戻るが、口蹄疫という現実の問題との関連づけは最後まで完全ではないまま、作品は終わる。それは、まるで現実のイギリス人が口蹄疫問題で「光」を見出せずに、暗雲の中をさまよっている現状と重なるかのようである。

(評価:★4)

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