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[コメント] パララックス・ビュー(1974/米)

飛行機の爆破シーンの演出が見事。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭とラストの委員会報告のシーンがすばらしいですね。

こういう品のある映画を見ると、アメリカ映画も捨てたものではないような気がします。

この映画の演出には大変難しい面がたくさんあったと思うんです。

船が爆発するシーンはそのまま映し出されていますが、飛行機の爆発をどのように表現するのか?

ドキドキして見ていましたが、飛行場に着陸した飛行機からカメラがパンして、しばらくすると「ドッカーーン」という音とともにカメラが揺れる。

こういう工夫が映画の醍醐味。知性を感じますよね。見事なだぁ。

アラン・J・パクラの作品はいずれも見せ方がうまいですね。サスペンスとは違った社会派としての見せ方。パクラ・マジックです。

一番最初の見た彼の作品で『大統領の陰謀』という映画があります。

新聞記者が主人公の実話で、ウォーターゲート事件を切り込んだ作品。

闇の部分を少しずつ見せながら正義と真実に迫ろうとする姿勢。

なかなか一貫していていいと思うんですね。

そしてパクラのもうひとつの特徴は、旬な役者を使うこと。

この作品のウォーレン・ベイティも『俺たちに明日はない』から一気に売れっ子になってからの作品ですので、使った時期も使い方も見事ですね。

うならされます。

これが真実かどうかというのは、冒頭とラストで暗示的に表現されているだけですが、こういう映画は日本に置き換えると『不毛地帯』とか『華麗なる一族』とか、山本薩夫監督の姿勢にも重なりますね。

結構面白かったです。

2010/11/20 自宅

(評価:★4)

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