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[コメント] ゴーストワールド(2000/米)

モヤモヤの羅列が青春だとすれば、まさしく青春映画だろう。ただし、モヤモヤしたままの青春は、共感以外の理解を拒んでいるのが、年長者としては面白くない。070505
しど

モヤモヤが晴れない原因は、自分の中のモヤモヤを放置したまま、安易な自己表現に溺れるからだ。この作品のイーニドも、自分が一体何を欲しているのかわからないまま、不満で一杯の自分を着飾り街へ出て、いつもいつも、売れ残って行き場を無くし、解消できない孤独を抱えて寝るだけだ。

他人に理解されない自分を抱える『大人はわかってくれない』は昔から一般的だし、大人になれない子供の苦悩は、男にしても同様に、希望の光を失って『さらば青春の光』とため息をつくばかり。などと、私程度にも似たようなテーマの作品はいくつか思い当たるような凡庸なテーマだ。近年でも、『アメリ』がそのタイプだろうか。結末の差は、アメリは仕事を通じて周りの住人との間に、居場所を持っていたことだろう。

居場所が無いと思うのは、大人も同様。いつかどこかへ運んでくれるバスが現われないかと願うのも一緒。だから、その「願い」だけを映像化されても、「俺も若いときはワルでさぁ」と自慢げに話すおっさんを見るのと同じ気分になる。

イーニドだけでなくほかの人たちも凄く魅力的に描けていたから、もう少し、展開が魅力的なら良かったな。私は、振り回されただけのシーモアやレベッカの立場に感情移入しちゃうもん。

(評価:★3)

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