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[コメント] メメント(2000/米)

娯楽作品として優秀。
t3b

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







記憶を観客にたぐりよせるための構成は最初にあったものを適当に後ろ回しにしただけでは決して出来ないものがあると思う。この構成では矛盾点はあるし、お話が成立してはいないだろう。でも観客の想像によって補強されて途中まで進んで行くのも確か。ただ、その想像は映画の話の進む方向によって壊される。(映画の途中までに想像していた部分と映画の後半の展開が一致した人っている?)それはわざと壊しに行っている。だからこそあのラストになる。

映画で語られる記憶の曖昧さ。それに加えて最後に記録の曖昧さを訴えて終わる。私たちは既にそれを知っているので余り意味が無い。意味は無いけどなんか訴えられてる気分にはなる。これを傑作だとする向きにはこの映画は技巧的には良く作られているが新しくは無いし、混乱させるだけで訴たいことを映画の流れ(この映画の場合観客を混乱させる事)で自然に解らせようとしてるのでは無く、混乱させる映画を作って、そこに後付けで人の記憶の不確かさというメッセージらしきものを付けようとしているように私は感じますが、どう思いますか?

記録と記憶の不確かさっていうお題でやる映画は前にあったからそれをそのままやると馬鹿にされちゃうでしょう。だから構成を売りにした。こういう作品、増えそうな感じがするけど、(そりゃ勿論アイディアとして最初な訳は無いけど、全体をこのネタだけで構成したことや実写映像化してみせたこと、あとディティールね。)最初にやったもんは評価しないと。それも最初じゃないかもしれない。

けど、面白かった。

(評価:★4)

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