[コメント] 陰陽師(2001/日)
随分広がりの無いちんまりとした平安世界。無責任なまでに終始笑いっ放しの野村萬斎と、観客向けにとばかりにいかにも現代人的思考を繰り広げる伊藤英明、さらにはご自慢のショボイCGで結界都市・平安京も極寒地帯に。
出来としては、少々TVドラマ的な安っぽさが目に付いたものの、それでも終盤はそれなりに盛り上がる。しかし、平安特有の世界観をあまり感じることが出来なかったのが残念。
「鬼」という概念も、人(特に高貴な女性に多い?)が複雑な社交世界において激しい嫉妬や恥ずかしさという感情を抱くその様子を通常の言葉で表現しきれずに生まれた、深い思考を持った概念なのだと思うのだが、やはり描き方がやや浅い。
平安時代という世界観ならば、あくまで私的意見(というのも次の作品には酷評が多いから)だが、『五条霊戦記』の方がよく表現されていたと感じる。
しかし、娯楽性のためとは言え、伊藤英明の言動は平安貴族の常識から外れ過ぎ。大学受験古文受験者の必読書、某有名予備校講師の「マド○ナ古文常識217」(仮)を読んで勉強して下さい。
あと、蜜虫というキャラに必然性全く無し。
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