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[コメント] 小説吉田学校(1983/日)

未来の総理たちが続々とチョイ役で登場する中、あの砂浜の少年が麻生太郎少年か。
sawa:38

とにもかくにも面白い。

しかし、権謀術数の限りを尽くす政界ドラマはフィクションを凌駕する。これは常識だろう。だから、そのドラマティックな映画化は面白くて当然なのだ。

近年の「加藤の乱」や「小泉劇場」が作り物のドラマのレベルでは予想も出来ない起承転結をみせた事は記憶に新しい。私たちは公表される極々一部の情報だけでさえ充分に面白く政治を鑑賞できた。ただ近年の政治ドラマを実体験してみると、日々(さらに言えば刻々と)変化していく情勢には、得体のしれない空気というか雰囲気が大きく影響している事を感じる。昨日誕生した福田Jr政権も、優勢だったはずの麻生太郎が一夜にして様変わりした結果だという。

本作は対日講和までの白黒前半と独立以降のカラー後半との二部構成のような準大河風な作りであるが故、歴史的な見方をすれば大変面白いのだが、あまりにもエピソードが多過ぎるために肝心のドラマがややもすると駆け足での書き込みになったきらいがあるの残念。

多くの未来の総理たちが続々とチョイ役で登場するのはサービス満点だった。アノ人はこの局面でこんなことをしていたのか・・なんてことがよく理解でき、その後の歴史を想像しながらの鑑賞はプラスアルファの要素だった。

ただ、その登場人物の二世たちがほとんど現在の政界ドラマに絡んでいる事実も改めて考えさせられた。未だに対立軸にいる者、和解し盟友となっている者・・・・・そんな中で唯一名前がテロップで流されなかったのが、あの砂浜の少年だ。彼はこのおじいちゃん吉田茂のように総理の椅子を手にすることが出来るのだろうか?

本作を鑑賞し終えた今、明日の政局が違った意味で楽しくみえてくる。いつか、アノ「小泉劇場」も映画化されることでしょう。絶対に面白い映画になるんでしょうね。

(評価:★4)

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