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[コメント] 風の谷のナウシカ(1984/日)

私にとってはこの見事に「完璧」な構成、「美しい」ストーリーは、この内容のように、まだ‘間に合って欲しい”この星へのささやかな(間違いなくこの星の一部でしかない)人間としての良心。
クジラの声

この映画は、全くの偶然に出会った作品で、当時、貧しいニセ学生だった私は「瀬戸内少年野球団」を観に行ったのですが、その2本立てで併映されていたこのオマケの作品が、「風の谷のナウシカ」でした。

観終わった後、当然、夏目雅子はどこかへうっちゃられ、何の予備知識も無かったこのアニメに心を震わせられていました。

この「心優しき孤高のお姫様」を主人公にするこの作品に、劇場で出会えた偶然は、そのとき本当に感謝しました。(わたしは、アニメオタク?でもなんでもありませんのでナウシカが少年でも構いません、念のため。)

「孤高」この映画の素晴らしさは、ナウシカのそれと共通しているように思います。 私も含め、「孤」の人は結構この国にはいると思うのですが、心の「気高さ」を持ちあわせて社会に「存在」できている人はどれだけいるでしょうか?

この映画で人間は、この星の肉でもありまた血液でもある「自然」に助けられます。 人間もまた、その一部でしかないということを我々は忘れています。ナウシカは知っていたのですそのことを・・・。 人間という生き物の「愚かさ」そして、圧倒的な自然の「尊さ」。 「千と千尋の神隠し」のレビューの中で私が伝えたかったことは、このことです。 想像するに、宮崎駿監督の根底には必ずこれがず〜っとあると思うんです。

まだ間に合って欲しい…。

けれど、きっと、もう遅すぎるくらい人間はこの星を犯してしまっている…

(C)

(評価:★5)

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