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[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)

他に類を見ない映像言語。バックヤードに広くて深いすべてがあります。CDや小説やリリイホリックを見続けてきた人々には最高のエンターテイメント。14才の時に感じれなかったのが残念です。
ByeByepoo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







正直ぜんぜん痛くなかったです。共鳴やエーテルと言われるものは、なんとなく感じれましたが、それがそうなのかはわかりません。感受性が薄れてるのかもしれませんんね。只、単純にパスカルさんの素晴らしい独特の映像に呆然と立ちすくむばかり。原色の空の深さに鉄塔や電線の無機質な世界。カイトの自由奔放さ。飛びたい。田園の青さと枯れた姿。そして生と死の形。個々の奥底にある黒い泉に沈む何かを突き詰めた心理描写。たしかにリアルであり、14才の感覚が伝わって思いおこされてきます。そしてあの頃はそれが全てだった記憶も蘇ってきました。そうそう。いまでは下らなくばかばかしく思える事も思い詰めて考えすぎて結局いきずまってなにも出来なかったし、そんな自分や廻りの全てに怒り否定する。そして大変な事に発展して、でもさらに何も出来ない。。。わたしはいじめをしてましたし、されてました。共鳴と言うよりも共感は感じます。雄一にも星野にも久野にも詩織にも神崎にも。。。とくに星野のわだかまりや、いじめるという心がとてもリアルに共感するところがあります。それは一番傷ついて”痛い痛い”と叫んで見えました。只、残念なのが”見えた”だけで”痛く”なかったことですね。わたしの傷は回復してるのかなぁ。それとも鈍くなったのかなぁ。いずれにしてもこの作品は素晴らしかったと思ってます。

フィリア=友愛

(評価:★5)

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