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[コメント] 愛と死の間で(1991/米)

ヒッチコックとデ・パルマを混ぜ合わせ、シェイクスピアのトッピング。これでお腹一杯。もう入りません。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 キャラクターは申し分なし。演出も上手い。褒めるべき要素はたくさんあるのだが、なんだか出来上がった作品はなんだかはっきりしない。

 なんでだろ?

 少し分析的に考える必要がありそうだ。

 まずストーリー。輪廻転生を題材としたこの物語は…そうだ。ヒッチコックの『めまい』(1958)だ。なんだかストーリーそのものもそれに近いぞ。それになんだかサスペンス調の展開はデ・パルマの演出のような…多分それが鼻についたんだな。

 あとキャラクターだが、申し分なくキャラは立ってるけど、よ〜く見てみると、極端にキャラが立ってる人物が一人…言うまでもなく主演のブラナーその人。過去であれ現代であれ、ブラナーばっかりが出てくる。自分の監督作品だから好き放題してるんだけど、要するにナルシストだろ?しかもブラナーに輪をかけて演技過剰のジャコビが絡む。特にシェイクスピアに思い入れがあるらしいこの二人がずーっと画面に登場するって事で、もうお腹一杯って感じになってしまう。良い演出には違いないけど、やっぱり演出過剰。せっかくのアンディ=ガルシアロビン=ウィリアムズも霞んでしまってるよ。勿体ない使い方。

 それとやっぱり、記憶が本当だったのか、植え付けられた偽の記憶だったのか、最後まで分からないまま放っておかれたので、終わっても消化不良なまま。

 良いところはたくさんある作品なんだが…

(評価:★2)

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